この記事では、単焦点レンズについて、どのようなものを選べば良いのか解説していきます。
写真を始めてしばらくすると気になってくるのが「単焦点」ですね。
今回は初めて買う単焦点レンズとして35mmと50mmどちらがというお話です。
焦点距離については、35mmと50mmで迷う人が多いと思いますので、
その辺を中心に書いています。
そういえばアナタ、写真を始めた頃、キヤノンのEF 50mm f1.8 Ⅱを買ったのが最初の単焦点レンズだったよね。
APS-Cではちょっと長すぎたけど、ポートレートには良かったんじゃないかな。当時ポートレートなんか撮ってなかったけどさ。
単焦点レンズを買うときに知っておきたいこと
ズームできない
まずは単焦点レンズの基礎知識から。
「単焦点」ってどういう意味か知っていますか?
レンズにおける「単焦点」とはどういう意味なのでしょうか?
「焦点」が「単」なのですから、1つの焦点のみを有するレンズが単焦点レンズであるといえます。
つまり、焦点距離を変えられないということです。そしてこれは、ズームできないことを示しています。
一眼カメラ用のレンズというと、鏡筒のズームリングをぐりぐり回してズームする様子を思い浮かべるかもしれませんが、これができません。
単焦点レンズは「ズーム」ができません!撮影者がよったり離れたりすることで写る範囲を変えます。
ハマると大変
単焦点レンズはズーム機構がありません!
ゆえに決まった焦点距離に最適なレンズ設計がなされていますので、基本的に開放F値が小さい(明るい)です。そして、設計に無理がない分、高画質であるとされています。
最近はズームレンズも高画質をうたっているけど、開放F値の小ささについてはまだ単焦点レンズの方が優位性が高いよね。
高画質の定義って人によって様々ですが、単焦点レンズにはボケの綺麗なレンズが多いことも、高画質であることに関係していると思います。
開放F値が小さいことも相まって、ボケを生かした絵作りが容易にできるのが、単焦点レンズの特徴です。
開放F値が大きな、いわゆる暗いレンズの場合、望遠域を用いればボケ量を稼ぐことはできますが、広角〜標準域では結構難しいと思います。
そして、ズームできない分、色々な焦点距離を使おうと思うと、単焦点レンズをいくつも用意しなければなりません。
ですので、綺麗なボケや画質の良さにハマってしまうと、次々と色々なレンズが欲しくなってしまい大変です(沼にハマったというやつです)。
単焦点レンズの導入には覚悟が必要!
焦点距離は35mmと50mmのどちらを選ぶべきか?
では、多くの人が迷うであろう、最初の単焦点レンズの焦点距離についてです。
35mmと50mmで迷っている人が多いようですので、この2つの焦点距離に絞って進めていきます。
このブログの検索流入ワードをみると、皆さん35mmと50mmで迷っているようなのですよね。
35mm単焦点のメリットとデメリット
何でもそうですが、メリットとデメリットは表裏一体だと思いますので、以下、それぞれご紹介したいと思います。
汎用性の高い画角
かつてのフィルムコンパクトカメラでは35mm単焦点が搭載されている機種が多かったといいます。
フィルムカメラ界隈で人気の「写ルンです」も焦点距離は32mmらしいですね。
それだけ35mmという焦点距離は日常の記録に使用しやすいです。
その反面、記録写真っぽくなってしまい、いわゆる「作品」という雰囲気の写真を撮るのは私のような初心者にとって難しいです。
上の写真、35mmでなんとなく撮ったものです。やはり記録写真な雰囲気になってしまっています。
家族の思い出を残していく、という撮影はとてもやりやすく、35mm単焦点は重宝しています。
焦点距離35mmというのは、使いやすい反面、初心者はどれも似たり寄ったりな写真になってしまう可能性があります。
最短撮影距離が比較的短い|被写体に寄れるレンズが多い
そして、広角単焦点レンズは寄れる(つまり最短撮影距離が短い)レンズが多いのもポイントです。
子どもにカメラを向けたら、なんか理由は分からないが自分に近づいてくる。これもよくあることだと思います。
そんな時もピントがきちんと合うのはとても助かります。
35mmという焦点距離の広角レンズであることにに加えて寄れることで、背景情報を入れた(背景を広く取り込んで状況を説明できるような)様々な表現が可能です。
上の写真のように、明るくて寄れるレンズの場合は水族館での撮影においても重宝します。
この写真はRF 35mm F1.8 IS stm で撮影しています。
50mm単焦点のメリットとデメリット
開放F値の小さなレンズを比較的安価に購入可能
50mm f1.8の単焦点レンズは各社で比較的安価に販売されています。いわゆる「撒き餌レンズ」というやつですね。
キヤノンでいうと、一眼レフ時代は10000円くらいで買えたのですが、最近は少し高くなってしまっています。
まあ、それでも30000円程度と、他のレンズに比べて比較的購入しやすい価格であるとは思います。
上の写真のようなナイトスナップも開放F値の小さなレンズであれば容易に撮影することができます。
背景をボケさせる表現はやりやすい
同じF値であれば、35mmよりも50mmの方がボケが大きくなります。
上の写真をみてください。zeissのmilvus 50M、通称マクロプラナーで撮ったものですが、背景のボケが非常に綺麗です。
なんてことない写真ですが、背景のボケが大きく綺麗だと、なんとなく作品っぽい雰囲気になりますよね。
50mmの方が大きくボケます!
結論|35mmと50mmのどちらを選べば良いか?
高い汎用性を求める人であれば、断然35mmがオススメ!
汎用性の高さで選ぶのなら35mmがおすすめです。
特に家族旅行に単焦点1本だけ持って行く、なんていう場面が想定されるのであれば尚更です。
観光地では人が多くて後ろに引けない場合も多いです。また、後ろに下がると自分と被写体との間に通行人が入ってきたりして、なかなかシャッターを切ることができません。
記録写真的な撮影を行うのであれば、「焦点距離が長すぎてすべてを写すことができない」という事態は避けたいですよね。
35mmだけ持って行って画角に入りきらないのであれば、スマホを使って撮影すれば良いと思います。
35mmより短くなると、パースがかなり効いてくるので、被写体の配置には気をつける必要がありますので、そういった点でも35mmの汎用性の高さはピカイチかなと思います。
適度な広角はとても使いやすいです。
「作品撮り」が撮影の中心にある人は、50mmの方がオススメ!
「作品撮り」が撮影の中心にある人は、50mmの方が良いと思います。なぜなら、同じF値であれば35mmより50mmの方がボケが大きく、ボケを生かした絵作りが行いやすいからです。
そしてこのヤマシャクヤクの写真はカールツァイスのマクロプラナー(Milvus 50mm f2)で撮ったものです。良い50mmで撮るとやはり良い雰囲気になりますよね。
旅行などで50mmの単焦点レンズ1本だけ持っている場合、50mmで風景を撮影しますが、結構良い感じに撮れたりします。
ただ、もう少し広く写る方がいいかなと思うこともあります。
おすすめレンズ
35mm
私の使用している35mmはこのRF 35mm F1.8 マクロ IS USMです。
レビュー記事も書いていますので、是非ご覧ください。
50mm
そして50mmはこれでしょう。RF 50mm F1.8 STMです。
番外編
35mmと50mmで迷って結論がでないそこのアナタ!
40mmなんてのはいかがでしょうか?(意外と選択肢があります)
キヤノンRFマウントではこれ!コシナのフォクトレンダーNOKTON 40mm F1.2 です。
マニュアルフォーカスで撮影が楽しくなります。
まとめ
結論として、これはあくまで私の個人的な意見ですが、高い汎用性を求めるなら35mm、作品撮りとしての撮影機会を多く求めたいなら50mmをオススメします。
そして、どこかで聞いたことがありますが、焦点距離について、「若い頃は広角を好んでいたが、年を重ねるにつれてより長い焦点距離を好むようになる」という現象もあるようです。
本当かどうかはわかりません。
ただ、私も20代の頃は単焦点というと28mm一辺倒でしたが、30代になると50mmの良さが分かってきたように感じます。
子どもが生まれ、人物撮影の機会が増加したことも一因としてあると思います。人生の場面によってよく使う焦点距離が変化していくのは普通なのかもしれませんね。
今回は35mmと50mmという2つの焦点距離に着目しました。
旅行用単焦点レンズの焦点距離については、以下にまとめていますので、ぜひご覧ください。