軽くて写りの良いズームレンズもありますが、単焦点だけで旅行に行くというのもまた楽しいものです。
今回は旅行に持って行く単焦点レンズの焦点距離(35mm判換算)について作例とともに考えてみたいと思います。
この焦点距離のレンズを持って行くとこんな感じに旅を記録できる、という感じで書いていますので、作例も併せてぜひご覧ください。
はじめに|単焦点レンズ選びで考慮すること
旅行の目的は何か
撮影のための旅行、とくに一人旅なら自分の好きなようにレンズもそのほかの機材も決めればいいのですがそうはいきませんね。
出張のついでの観光、学生ならば卒業旅行とか、旅行の目的も色々ですよね。
撮影する時間のあまりない旅行の場合、汎用性の高い35mmあたりの単焦点をカメラに着けていくのも良いかと思いますが、記録写真的な撮影はスマホに任せて、50mmや85mmあたりの単焦点でF値の小さなレンズを持って行くと、スマホ写真と差別化できて「おっ、さすがカメラの写真は綺麗だね」と言ってもらえるかもしれません。
出かけるときは必ず持って行くスマホ。スマホで撮る写真と差別化できるような、つまり綺麗なボケを演出できるような単焦点レンズを思い切って選択してみるのも良いかもしれません。
誰と行くのか
一緒に行く人が、その旅行において自分と同じくらいの気持ちで写真撮影したいと思っているならあまり気にしなくていいかもしれません。
単焦点1本で行きたければそうすればいいですし、ズームを持って行くならそれでいいかと思います。
当然ですが、小さい子どもがいれば必然的にレンズ交換の時間は少なくなるかと思います。
同行者がどういう「気持ち」で旅行に行こうとしているのか。これが大切ですね。
しかし、これがなかなか難しい…写真仲間との撮影旅行はこの点が楽です。
どこに行くのか
どこに行くのかによって焦点距離や開放F値の選び方が異なります。海外の広い景色や大きな建造物を撮るのであれば20mm程度まで広角寄りにする必要があると思います。
あとはヨーロッパなどにおいて、現地の伝統的な建造物の中を撮る場合は24mmでもすべてを画角に収めることは難しいので、より広角側のレンズが必要になると思います。
有名スポットや有名建築物など、撮りたいものがあるのであれば、事前にチェックしておくと良いと思います。
50mm
まずは何といっても標準レンズと言われる50mm。
ライカだとズミクロンやズミルックスなどの50mmを使用している人が多いイメージですね。最近はアポズミクロンの評判が非常にいいですね。お高いですが。
私のブログの他の記事でも解説していますが、作品づくり(作品っぽく?)であれば明るい50mmのレンズはとてもおすすめです。
絞りを開け、被写体に近づいて背景をぼかすことができます。引いて広角レンズチックに使うこともできるのですが、室内ではちょっと狭いかなと思います。
50mmは、屋内メインの作品作りにはおすすめですが、室内メインの場合は画角が狭いと感じることが多くなりそうです。
以下、50mmの作例です。50mmのf1.8を使用しているので、2枚目のようなナイトスナップもとても撮りやすいです。
EOS 6D + EF 50mm F1.8 stm
遠景も撮れます。
EOS 6D + EF 50mm F1.8 stm
神戸で見つけた温泉です。ここでお風呂に入ってきました。
明るいレンズでナイトスナップ。これも旅行の醍醐味ではないでしょうか。
思い切って絞りを開放しましょう!
EOS 6D + EF 50mm F1.8 stm
阪急電車。
EOS 6D + EF 50mm F1.8 stm
被写体によって背景をぼかす。そういう使い方ができるのは、50mmだからこそですよね。望遠レンズ的な一面を生かす絵作りは50mmの特権です。
35mm
汎用性の高さでいうと35mmが一番ではないでしょうか。
私も悩んだら35mmを選択しています。ただ、汎用性の高い焦点距離ですので、記録写真的な写真を量産してしまいます。もっとうまくならなければなと毎回反省しています。
昔のフイルムコンパクトカメラでも焦点距離35mmのレンズを積んでいたということで、とても使いやすいです。
最近の高級コンパクトデジタルカメラでは、富士フイルムのX100シリーズも35mmですね。
私はcanon RF マウントのRF 35m F1.8 MACRO IS STMを愛用しています。このレンズはハーフマクロ機能も付いているため、被写体に寄ることもでき、とてもおすすめです。
汎用性の高さは35mmがピカイチ。悩んだら35mmを持って行くのがベストです!
なお、RF 35m F1.8 MACRO IS STM の使用レビューはこちらにありますのでぜひどうぞ。
EOS R6 +RF 35mm F1.8 MACRO IS STM
蔵王の「御釜」。いつか星景写真を撮りに来たいですね。
EOS R6 +RF 35mm F1.8 MACRO IS STM
山形県鶴岡市の海。
EOS R6 +RF 35mm F1.8 MACRO IS STM
仙台うみの杜水族館にも行ってきました。
EOS R6 +RF 35mm F1.8 MACRO IS STM
長野県の牧場です。
EOS R6 +RF 35mm F1.8 MACRO IS STM
そしてこれは、上野動物園のサイです。
EOS R6 +RF 35mm F1.8 MACRO IS STM
寄れるタイプの35mmは水族館での撮影においても頼もしい相棒になります。
28mm
SIGMAのDP1シリーズやRicohのGRシリーズにも採用されている焦点距離です。
広角レンズの部類ではありますが、人物撮影もそれなりにしやすい焦点距離かと思います。
DP1 merrillを愛用していることもあり、個人的に最も好きな焦点距離です。これ1本(つまりDP1 merrill 1台)スナップメインの旅行は何度も経験しました。
もちろんFoveonセンサーを使いたいからDP1 merrillを選んでいるというのもあります。
DP1 merrillについてはこちらにあるので、是非ご覧ください。
SIGMA DP1 merrill
街でスナップ撮影するのも、28mmは広すぎるようで広くない印象です。50mmみたいな何かに集中する感じはあまりないのですが、ちょうど良い広角具合です。
SIGMA DP1 merrill
35mmより広く写せる分、画面内の情報は増えます。これをどう使うかなんでしょうけど、まだまだ勉強が必要です。
SIGMA DP1 merrill
ボケを期待できるような焦点距離ではないのですが、それなりに被写体に近づけば、ある程度被写体と背景を分離した絵作りができます。
SIGMA DP1 merrill
フレーム内に何かを入れた風景、みたいなものを撮るのは28mmが一番得意かもしれません。
SIGMA DP1x
目の前の景色をパシャっと撮って結構良い感じになります。これが「自然な広角」ってやつでしょうか。
24mm
かつて標準ズームレンズの広角端は28mmスタートが普通だったようですが、今は24mmスタートのものも多いです。
それに伴い、以前に比べ近年はより一般的な画角となった感のある24mmです。
EOS 6D + EF 24mm F2.8 IS USM
スマホと同じ焦点距離ですが、当然、フルサイズの24mmで撮った方が画質は良いです。
EOS 6D + EF 24mm F2.8 IS USM
道東まで行ったときの風景です。風景の中に人を配置しないのであれば、24mmはとても使いやすいです。北海道の、それも一人旅なんて24mmがちょうど良いんじゃないかと思いますね。
EOS 6D + EF 24mm F2.8 IS USM
とか言いつつも、人を配置してみる。屈斜路湖だった気がします。
EOS 6D + EF 24mm F2.8 IS USM
適当に撮ると、スマホ写真っぽくなってしまいます。これもまた良いです。
EOS 6D + EF 24mm F2.8 IS USM
京都タワーの地下に温泉(銭湯?)があったんですが、まだあるのかな。なんて思い出しながら過去の旅を振り返るのも良いですね。
EOS 6D + EF 24mm F2.8 IS USM
寄ったときの感じは24mmと28mmとで結構違います。24mmはさすがに結構なパースが効く感じがします。
24mmは結構な広角な印象を持つかもしれませんが、旅行に1本だけ持って行くレンズとしても普通に使えます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。結論として、24mm、28mm、35mm、50mmはどれを持って行ってもしっかりと旅行の相棒として活躍してくれます。
それと、レンズは1本で済ませる、となった場合、筐体は大きくなりますが、開放F値は可能な限り小さいものの方がいいというのが個人的な意見です。
特に夜に出歩く予定がある場合は、ぜひF値の小さなレンズを選んでみてください。
シャッタースピードを稼ぐとなるとF1.8か2.0くらいは欲しいところです。夜のスナップが楽しくなるかと思います。
私は基本的にはネイチャー撮影が好きなのですが、旅スナップもとても好きです。ライカが欲しくなりますね。
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